「脳からストレスを消す技術」
副題は「セロトニンと涙が人生を変える」です。
脳の研究が進んだことで、
ストレスやうつ病などのメカニズムがわかってきました。
人間のストレスには、身体的ストレスと
人間ならではの脳ストレスがあります。
人間の二大脳ストレスは、「依存症」と「逆恨み」だそうです。
一つは、快を求めすぎた結果、
それが得られなくなって生じるストレスで、
これが病的になることを「依存症」といいます。
もう一つは、
自分が相手のためと思ってしていることが、
正当に評価されないことによって生じるストレス。
これが病的に拡大した状態が「逆恨み」です。
脳を理解して、上手に対応することで
ストレスを消すことができます。
人間だけが発達している脳の前頭前野には3つのパーツがあります。
1つは、報酬を前提としていろいろな努力をする「学習脳」。
これにはドーパミン神経が働き、暴走すると「依存症」を引き起こします。
2つ目は、一瞬で情報分析をし、経験をもとに最善を選択する「仕事脳」。
これには、ノルアドレナリン神経です。
これも暴走することがあり、うつ病や神経障害をもたらします。
最後は、脳全体のバランスを整えて、平常心をもたらす「共感脳」。
これには、セロトニン神経です。
セロトニンは、いわばオーケストラの指揮者の役割をして、
前2つの脳が暴走するのを食い止めています。
したがって、セロトニン神経を活性化させれば、
脳の暴走を抑え、ストレスを消し、
マイナス思考を克服することができるのです。
セロトニン神経を活性化させる方法は、
①太陽の光に当たる
②リズム運動をおこなう
③情動の涙を流す
この3つが効果的だそうです。
また、セロトニンを分泌する「共感脳」の特長に、
他人を癒す行為をした場合、
癒された人ばかりでなく、癒した人のセロトニン濃度も
同時に上がることが実証されているそうです。
これは、すごいことです。
他人のために何かをするということは、
実は、自分をもっとも幸せにする方法だったのです。
ですから、幸福感を感じられないと苦しんでいる人たちは、
誰かを幸せにしてあげることで、幸福感を得られるのです。
2500年前にお釈迦様は、
このことを「慈悲」と言う言葉で表現しました。
これこそが、人類が種として生き残るために、
殺しあわないで文明を発展させるために、
脳が用意した「平和装置」なのです。
人間は、すくなくとも2500年間、
同じことで悩み、
同じことで解脱を求めていたのですね。
by KINTOBI61 | 2010-06-20 15:31 | メディア | Comments(0)